秋、はじめました
今日、秋を感じた。
朝出た時はそこまでではなかったのだけど、 二限目の授業を終えて廊下の窓に頭を出すと、秋の匂いがした。
それは持久走で、喉が千切れるんじゃないかというくらい走ったときにする匂いである。
つめたい朝の登校中、マスクの中でする匂いである。
廊下の窓からは二年生の教室とゴミ捨て場が見えて、刺すような風が吹いていた。
昨晩、突然ネイルをしたくなって、硬化するための大きいUVライト(うすい水色で、手を入れるためにドーム型になっている)を引っ張り出してきた。
秋だからというので、さつまいも色を親指、中指、小指に。紅いも色を人差し指、薬指に塗った。
出来上がりは可愛くて、秋を受け入れる準備はできているどころか、喜んで迎え入れようという気になっていた。
しかし、窓から秋の匂いがしたとき、すごく悲しかったのだ。
ショックだった。
想像していた秋はもっと可愛くて、豊かなものだった。
現実はそう甘くなく、夏の青々しい木々は姿を消し、高校三年生に受験戦争の始まりと子供という課程の終了を告げるものであった。
去年の秋はもっと輝いていた。きりりと張り詰めた空気に、わくわくしたものであった。
今日、秋の匂いを嗅いで寂しくなった人はどれほどいたのだろうか。
台風め、お前のせいだぞ。
追記
(2022/10/27)
✿今年の金木犀︎✿
金木犀って粘土みたいな造形してるよね。
天使がひとつひとつ作ったみたい。
今年も丹精込めましたねー…